Remember Esbjorn Svensson

例年6月は、私にとって、Remember Esbjorn Svensson 月間だ。 札幌の気候でいうと、ライラックが終わって夏の暑さが訪れる頃。冷たい水の心地よさと、初夏に水の事故で逝った彼のことをほとんど同時に思い出す。 エスビョルン・スヴェンソン。スウェーデンのピアノトリオ、e.s.t. のピアニスト。亡くなったのは2008年なのでもう10年になる。今年の5月、その節目に…ということなのか、新しいライブ・アルバムが出た。

続きを読む

Brad Mehldau「10 Years Solo Live」Disc 4

テーマは「E minor / E major」ホ短調とホ長調。 これも minor を先に持ってくるのが、やっぱり「らしい」。というか、根本にあるものは「Dark / Light」と同じなんだろう。陰と光のコントラスト、そしてそのあわいにある階調。それを違う表現で言い換えている。 「The Bard」が「Highway Rider」に姿を変えながらも、同じく「旅」を描いていたように。ひとつの地点や姿から出発して、同じ場所に帰還することを繰り返す。カジュアルに言えば「家に帰るまでが遠足です」、教養あふれる感じで語るには「オデュッセイア」までいくことになるのかもしれない。それは語れないけど、何よりも彼自身の生き方が、この十何年そうであることは、見ればわかる。

続きを読む

Brad Mehldau「10 Years Solo Live」Disc 3

テーマは「Intermezzo / Rückblick」「間奏曲 / 回想」 ジャケ写は下り階段。 レトロ建築っぽい幾何学デザインのガラス、窓辺にはヒトデや貝のオブジェ。 「After Bach」の階段に比べればかなり明るくカジュアルだけど、世界観としては細くつながっているのかもしれない。 そして、下り階段=記憶を遡るイメージというのは、欧米の人には一般的なんだろうか。 「SHERLOCK」のマインドパレスも、深層は階段を下ったところにあったよね。

続きを読む

Brad Mehldau 「10 years solo live」 Disc 2

テーマは「The Concert」 4枚の中で一番テーマが明確。そして4枚の中でこれが一番好き。 ジャケ写もぎゅう詰め、そして好きな曲がぎゅう詰め。 まず、このジャケ写がいい。 この人にこれが褒め言葉になるかどうかわかんないけど、超かわいい。 BMは決して小柄な人ではない。他のミュージシャンと並んだ写真を見るに、むしろ大きい方だと思う。それが、こんな車に窮屈そうにおさまって、楽しげにニコニコしてるという。 これが「世界あちこちツアーして弾く自分」のセルフイメージ…かわいすぎでしょ! 以下、印象的な曲をレビュー。結局、全部になっちゃったけど。

続きを読む

Brad Mehldau 「10 years solo live」

2015年リリース、4枚組のソロアルバム。 ライブを1本まるごと収める形ではなく、2004年~2014年の10年間にわたって録りためた演奏が凝縮している。 4枚のディスクに4つのコンセプト。 1 「Dark / Light」 2 「The Concert」 3 「Intermezzo / Rückblick」 4 「E minor / E major」 ナイスコンセプト、と思ったのは1と4。好きでよく聴くのは2。

続きを読む

Brad Mehldau「Live in Marciac」

リリースは2011年2月だけど、収録されたライブは2006年8月のもの。フランスの「Jazz in Marciac」でのソロステージが、2CD+DVDのボリュームで収録されている。 初めて聴いた時には、「Live in Tokyo」から、随分と進化していることに驚いた。テクニックや音の綺麗さはそのままに、秒の無駄もなく立ち上がる緊張感と、聴き手を引っ張っていく推進力がぐっと増した。 ちなみに、このライブには2つのテーマがあると思っている。 前半と後半、それぞれ色が違う。 以下、一曲ずつレビュー。

続きを読む

もっと見る