心の妙薬たち

今日までの何日か、心を鎮め、和らげてくれたものたち。

9月6日早朝に起こった、北海道大地震。
自宅は大きく揺れましたが、幸運なことに、家族も身内も無事でした。

大きな揺れから15分程度で停電。同時にWi-Fiがダウン、携帯電波もなくなり、スマートフォンでは通話もwebもできなくなりました。「災害時の情報収集にツイッターが役立つ」というのも話半分みたいです。
テレビもPCも当然だめで、情報源として唯一役に立ったのはラジオでした。ローカルAMが一番具体的な情報を流していましたが、緊迫した声、深刻なニュースばかりを何時間も聴き続けるのは、思っていた以上に苦痛でした。

と、いうわけで、こんな状況でも(あるいはだからこそ)音楽の存在が有難かったです。
どこにもつながらず、ただのストレージと化したスマホと、無線で使えるBluetoothのイヤホンとスピーカーがありました。
出張の移動中に使うために充電器・乾電池のストックを用意してあったので、バッテリーは心配なし。これはとても心強かったです。

今日までの何日間か、どんなものを聴いていたのか、備忘録的にメモします。
心を和らげてくれた彼らに感謝。

Giovanni Mirabassi 「AVANTI!」
逆境にも折れない情熱と暗闇の灯。悲嘆の涙と嘘のない慰め。
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Brad Mehldau 「After Bach」
祈りと癒し。途切れない秩序、穏やかな光と、思慮深い優しさ。
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Beethoven/Glenn Gould「Piano Sonatas 30,31,32」
電気と交通が回復して、職場復帰の朝に。
澱まない清廉と溌剌、動き出すための呼び水。
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Sarah McLachlan 「Surfacing」
激しすぎず、媚びすぎず、甘すぎない、私にとって理想の声。
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Sting 「All This Time」
気温がぐっと落ちた9.11の朝。2001年のその日に録られたライブアルバムを。
悲しみと、怒りと、恐怖と無力感。
それを撥ね退ける気迫、そして聴く人の心に火を灯す熱と優しさ。
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Charlie Haden, Kenny Barron「Night and the City」
Brad Mehldau とCharlie Haden のデュオアルバムが出ると聞いて。
エレガントで大人なデュオ。選曲も素敵。
ジャケ画がジョージア・オキーフというのも好きなポイント。
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Brad Mehldau Trio 「Seymour Reads the Constitution!」
落ち着き払った端正さ。淡々として緻密なシリアスさと、見計らったように挟まれる息抜きの時間。
そうだ、こうやって仕事すればいいんだ、とペースを取り戻させてくれた一枚。
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Norah Jones 「The Fall」
週の後半。疲れたので、かわいいものが聴きたくて。
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Mendelssohn / Emerson Quartet 「String Quartet No.6」
メンデルスゾーン、弦楽四重奏第6番 ヘ短調。
かわいいものの反動でダークなものを聴きたくなって。
最近初めて聴いて、こんなカッコイイ曲だったとは…と感動したばかり。
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Radiohead 「Hail to the Thief」
さらにネガティブ成分を求めてダークな方へ。
このアルバムは一番最後の「A Wolf at the Door」が好き。
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並べてみるとけっこうな数ですね。会社が始まってからは朝晩の列車で聴くのでこんな感じになりました。

暮らしは普通に近づいていますが、気持ち的にはまだ整理できない部分もあります。
犠牲になった方々を悼む思い、迅速な救出・捜索に尽力して下さった方々への感謝。
自宅が損壊し、今も不自由な暮らしをされている方々への心配。農業や酪農、製造業、観光業などへのダメージの大きさ。一日も早い回復を願う気持ち。
もうすぐに来てしまう寒い季節への不安、メディアやネットの声に煽られて生じる不満や怒り、自分に何ができるんだろうという焦りや義務感。思い出したように余震がきてドキッとすることも。
一言では言い表せない、いろいろな感情があります。

でも、ひとまず無事でいるのだから、どうにでもなる、手の届くところから、ひとつずつできることをしていくしかないんだな、とも。
がんばりますよ。

最後におまけ写真を。
2018.09.13、JRタワー展望室からの「Night and the City」オブ サッポロ。
テレビ塔もノルベサの観覧車も、ススキノ方面も節電消灯。
高層ビルの赤色灯の、呼吸のような点滅だけが目立っていました。

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